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Current Research Project
研究テーマ
平成16−17年度 科学研究費補助金 基盤研究C-2 
「国境を超えて連携する市民社会組織の役割と影響力に関する実証研究」
(研究代表者:菅原秀幸、課題番号:16530160)

共同研究者

加藤 誠久 (杏林大学・保健学部・助教授)
Matthias Kipping (Universitat Pompeu Fabre, Department of Economics, Associate Professor)
Jonathan Doh (Villanova University, Department of Management, Associate Professor)

研究目的

 本研究の目的は、グローバリゼーションの進展に伴って地球規模で生起している問題(環境、開発)の解決に、国境を超えて連携する市民社会組織(Civil Society Organization: CSO)がいかなる役割を果たし、どの程度の影響力を行使しているのかについて、定量的に分析することである。これにより、次の2つの具体的な研究成果を提示する。第1に、CSO影響力インデックスを作成する。第2に、経済学の分析枠組みに、CSOを明示的に組み込む必要性があることを主張する。

問題認識

 従来の国際経済学におけるグローバリゼーションをめぐる論争では、もっぱら国家、国際機関、多国籍企業が主要なアクターとして分析対象とされ、CSOに関心が寄せられることは皆無であった。伝統的な経済学の分析枠組みである「政府対市場」、「効率対公正」といった二分法的アプローチは明らかに限界にぶつかっているにもかかわらず、ほとんどの経済学者はいまだ既存の分析枠組みに縛られている。
 過去10年以上にわたって繰り広げられてきたグローバリゼーション論争は、今もなお決着をみることなく続けられているが、今日ではグローバリゼーションの是非や善悪を論じる段階から、いかにグローバリゼーションを進めていくかを議論する段階に入っている。ここに至って、CSOの果たす役割と影響力の大きさに関心が寄せられるようになってきている。市場原理と経済成長至上主義に依拠した現在の成長メカニズムでは、今日われわれが直面する多くの課題を解決することは不可能である。その解決の鍵として、本研究ではCSOに焦点をあてる。

研究の意義

 これまでのCSO研究は、もっぱら理論的考察と事例研究に終始しており、定量的な分析は皆無である。定量分析を困難にしているのは、CSOの多様性にある。一般的にはCSOは「非政府」、「非営利」として定義されるので、第1セクター、第2セクターのいずれにも属さない「残渣(ざんさ)」をすべて第3セクターとしてくくることになる。そのために、CSOの実態が極めて多様になり、捉えどころのないものになっている。
 とはいえ、現実にはCSOの果たす役割が大きくなってきており、その役割と影響力の定量的な把握は不可欠である。本研究では、影響力インデックスを作成し、新たな地平を切り拓くことにチャレンジする。

研究スケジュール

2004年6月〜9月 先行研究のサーベイ、インタビュー調査
2004年10月〜12月 事例分析、インタビュー調査
2005年1月〜2月 分析フレームワークの検討、影響力インデックスの検討
2005年3月 影響力インデックスの考案、アンケート調査方法の検討
2005年4月〜5月 パイロット・アンケート調査の実施
2005年6月 フレームワーク・インデックスの精緻化、ヒアリング調査
2005年7月〜9月 アンケート調査の実施
2005年10月〜12月 調査結果の解析、学会での中間報告
2006年1月〜2月 研究結果の取り纏め、論文執筆
2006年3月 研究成果の発表、学会での報告

分析の概念図
 CSOが、国際社会における4アクター(政府、国際機関、企業、市民社会)に対して、どのような役割を果たし、どの程度の影響力を及ぼしているのかについて、定量分析(因子分析、主成分分析)を行なう。
 具体的には、1.CSO−政府、2.CSO−国際機関、3.CSO−多国籍企業、4.CSO−市民社会という4つの次元で、影響力インデックスを作成して、日本、アジア、米国、ヨーロッパの比較分析を行なう。

期待される成果・貢献

1.政府に対して 政策の策定と実行において、CSOの果たす役割を明確にする。
2.企業に対して 企業戦略の立案と実行において、CSOとの関係を提示する。
3.CSOに対して CSOの弱みと強みを明確し、今後の活動の方向性を示す。
4.学会に対して 従来の分析枠組みの限界と、その超克の必要性を主張する。

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